特集
本のこと | 2019.11.20

「靴のおはなし、この一節」vol.03 blackbird books・吉川祥一郎さん


 
本を読んでいると、ふと立ち止まる一節に出会います。
 
「靴のおはなし」を読んだ あの人に、
心にとまった一節を聞きました。
 
第三回目は、大阪にある書店blackbird booksの店主・吉川さんが選ぶ この一節。
吉川さんの感想とともにお楽しみください。
 

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 鍵をあけて玄関に入ると、知らない靴があった。ヒールの高い白のパンプスが向きを変えて揃えてある。
 

岩瀬成子『靴音』
-靴のおはなし 2-

 
 

 子どもの頃、家に知らない大人がいると緊張したものだ。テーブルの上には見慣れない菓子やコーヒーカップが置いてある。「知らない大人」はやたら大きく見えた。先日、生命保険の相談を自宅でしているところに長女が学校から帰ってきて、営業の男性と鉢合わせた。娘は玄関の黒い革靴を見るなり、誰か来ているの?と声を上げドタドタと居間に走ってきた。彼女は臆することなく頭を下げ、元気に「こんにちは!」と言ったので、大したものだと思った。
 
選・文 吉川祥一郎

 

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服部緑地という大きな公園のそばの小さな古本屋です。新刊と植物も置いてます。本に触れ、静かな音楽を聞き、時間を忘れ過ごして頂きたいと思っております。町の小さな憩いの場として機能していければ幸いです。
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