本を読んでいると、ふと立ち止まる一節に出会います。
「靴のおはなし」を読んだ あの人に、
心にとまった一節を聞きました。
第二回目は、ループ舎のスタッフ岩崎が選ぶ この一節。
女性ならではの視点、どうぞお楽しみください。
赤いペディキュアをするようになったのは、50歳になってからのことです。
広瀬裕子『あたらしい靴』
-靴のおはなし 1-
-靴のおはなし 1-
他人の手の爪より足の爪を見た時の方が、なんだか少しドキドキするのは私だけでしょうか。
手と違って、普段は靴や靴下で隠されていることが多いから?
50年間「赤いペディキュア」を知らなかった足の爪が、「50歳」にして初めて赤く塗られる。
大人の女性のふとした変化を捉えた一節から広がる、新しい扉を開けてしまった少女のような初々しさ。
そのトキメキと生々しさに胸を撃ち抜かれました。
選・文 ループ舎 岩崎