靴にまつわる短歌と小さなエッセイをご紹介する、「靴のうた」。
今回は、ふだんのふとした光景です。どうぞお楽しみください。
あわてて家を飛び出さなければならなかったり、思いがけないお客さんが来たり。いろんなことがあって、玄関はいつもにぎやか。私が外に出ようとすると、左の靴はあるのに、右の靴はないんです。見れば、ドアの付近に、裏返しになって落ちています。私は左の靴だけを履き、ぴょんぴょん跳びます。右の靴のところまで、片足ケンケン、数歩の旅。裏向きの靴は「早く迎えに来て」と泣いています。再会は、間もなく。
選歌・エッセイ 千葉 聡
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○「靴のうた」プロローグ
○「靴のうた」第1回
○「靴のうた」第2回