特集
靴のうた | 2019.03.10

靴のうた -第12回- スタートライン


靴にまつわる短歌と小さなエッセイをご紹介する、「靴のうた」。
はじまりの季節です。どうぞご覧ください。
 
 

靴紐を結ぶべく身を屈めれば全ての場所がスタートライン

山田航『さよならバグ・チルドレン』

 

 せっかくいろいろな話ができるようになった3年生たちが卒業してしまいました。あんなににぎやかだった校舎は、すっかり静か。廊下の陽だまりで、乾ききった雑巾が寝ています。
 今までずっと一緒にいたのに。今、みんなはどうしているんだろう。
 思い出をあたため直していられる3月は、思ったよりはやく過ぎてしまうもの。きっとみんなは、4月からの生活に向けて新しい靴を買うために、街を歩いていることでしょう。
 靴は「自分の最初」です。新しい場所へ行くとき、その場所に真っ先に触れるのは靴なのです。
 これから始まる生活で、もし辛いことがあったとしても、きっと大丈夫。いちばん辛いときがスタート地点だと思えば、そのあとは良くなるばかり。
 何かあったら、まず靴紐を結び直してみませんか。あなたは、クラウチングスタートの構えをとっているように見えますよ。
 全国の卒業生のみなさん、ともに一歩ずつ歩いていきましょう。

 
選歌・エッセイ 千葉 聡

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